北陸新幹線の長野―金沢(延長228・1キロ)が14日開業し、首都圏と北陸が一本の大動脈でつながった。金沢と東京の450・5キロはこれまでより約1時間20分早い最短2時間28分で結ばれる。金沢発の一番列車の出発式では約5千人がホームを埋め、JR金沢駅は乗客や見物客らであふれた。「100年に一度」の節目を経て、北陸の新たな時代が幕を開けた。
一番列車は、金沢発の「かがやき500号」が定刻より1分遅い午前6時1分に、東京発の「かがやき501号」が定刻通りの同6時16分に、それぞれ出発した。
JR金沢駅では、太田昭宏国土交通相、谷本正憲石川県知事、真鍋精志JR西日本社長らが出席して開業式典と出発式が行われ、大勢の見物客が拍手と歓声で一番列車を見送った。
午前8時46分、東京発の「かがやき501号」が金沢に到着すると、駅構内は乗客だけでなく地元住民も加わってごった返し、夜まで混雑した。
ホテル日航金沢では、県や金沢市、JR西日本などが主催する開業式・祝賀会が開かれた。出席した1千人(主催者発表)は「北回り新幹線」の構想浮上から50年を経て開通した新幹線を歓迎し、交流人口拡大や経済波及効果に期待を寄せた。
北陸新幹線の定期ダイヤは、最速の「かがやき」が1日10往復となる。6月末までは臨時列車を含む最大18往復が運行し、一部は新高岡駅にも止まる。停車駅の多い「はくたか」は15往復(1往復は長野―金沢)、富山―金沢の「つるぎ」は18往復を走る。
北陸新幹線の長野―金沢は総事業費が約1兆7800億円で、JR東日本と西日本が共同運行する。車両は1編成12両、定員934人のE7系とW7系を使用する。普通車とグリーン車のほか、「つるぎ」以外の列車は、東北新幹線に導入されている最上級車両「グランクラス」を備える。
文字截自 北國新聞社